
ツアー会場で笑顔を見せる仲村果乃プロ
ゴルフファンの皆さん、今注目の若手プロゴルファー・仲村果乃(なかむら かの)さんをご存知でしょうか?京都府出身、現在24歳の仲村プロは、ジュニア時代から数々の実績を残し、2022年にプロテスト合格、2023年から本格的にプロツアーで活躍を始めた期待のニューヒロインです。
その穏やかな笑顔とは裏腹に、コース上では芯の強い闘志を秘めたプレーが持ち味で、着実に成長を遂げています。今回はインタビュー形式で、仲村果乃さんのこれまでの歩みやプロとしての主な功績、今後の目標、さらにはSNSでの発信など、じっくりとお話を伺いました。ゴルフファンなら見逃せない仲村プロの素顔と魅力に迫ります!
ジュニア・高校生時代・アマチュア時代の活躍について

- まずはゴルフとの出会いやジュニア時代のことを教えてください。学生時代にはどのような活躍をされていましたか?
仲村果乃さん(以下、仲村): ゴルフは11歳のときに始めました。子供の頃は実はバレエや空手も習っていて、スポーツ全般が好きな少女でした。
本格的にゴルフに打ち込むようになってから頭角を現し、中学・高校ではゴルフ部で腕を磨きました。高校時代にホームコースで人生初のホールインワンを達成したこともありましたね。そのとき、スポンサーから日清のどん兵衛1年分をいただいて(笑)、すごく嬉しかったのを覚えています。
大学は京都の龍谷大学に進学し、経済学部で学びながらゴルフ部で競技を続けました。
アマチュア時代には2020年の関西女子学生ゴルフ選手権で優勝し、大学世代のチャンピオンになったのが大きな自信になりました。
さらに2022年の日本女子アマチュアゴルフ選手権では準優勝という成績も収めています。あと一歩で日本一でしたが、全国レベルの舞台で得た経験はプロへの大きな財産になりました。
そしてプロ転向目前の2022年11月のJLPGAツアー公式戦「大王海運レディスオープン」では、当時アマチュアながら堂々の4位入賞を果たしました。プロのトーナメントでトッププロに混じって上位に入れたことで、「プロの世界でもやっていける」という自信につながりましたね。
引用元 mbs1179.com
プロテスト合格とプロ転向のエピソード

1位に岐阜県土岐市出身 神谷 そら
(かみや そら)
9位に京都府京都市出身 仲村 果乃
(なかむら かの)

2022年度の女子のプロテスト合格率は3.74%と狭き門



最終テストには695人が挑戦し、そのうち26人が合格しました.
- プロ転向についてお聞きします。プロテストには一度で合格されましたか?合格までの道のりや苦労、合格時の気持ちを教えてください。
実はプロテストには4度目の挑戦でようやく合格しました。簡単には突破できない難関で、最初の3回は悔しい思いをしています。大学在学中の2022年、最後の挑戦という覚悟で臨んだ4回目で念願の合格を勝ち取りました。
合格が決まった瞬間は本当に嬉しくて、やっとスタートラインに立てたという気持ちでいっぱいでした。
合格できた秘訣は、「今度こそ必ず通る」という決意で心身を徹底的に鍛え直したことですね。
それまで正直、トレーニングはそこまで熱心ではなかったのですが、4回目に向けては「4日間戦い抜ける体力をつける」と決めてみっちりトレーニングしました。苦しかったですが継続できたことでメンタルも鍛えられ、自信を持って試験に臨めました。また、大学での勉強と両立しながらのチャレンジでしたが、周囲の支えもあり何とかやり遂げられました。
― プロテスト合格者発表後のコメントより
「とても嬉しい気持ちでいっぱいです。トップで活躍しているプロのようになりたい。」
プロテスト合格後、正式に2023年からJLPGAツアーの95期生プロとして歩み始めました。師匠である吉川なよ子プロから“焦らず基礎を固めなさい”と助言をいただき、まずはステップ・アップ・ツアー(下部ツアー)で経験を積むことにしました。「トッププロのように活躍できる選手になりたい」という初心を胸に、プロ生活をスタートしました
引用元 lpga.or.jp。
ルーキーイヤー:ステップ・アップ・ツアーでの奮闘


- プロ1年目の2023年は主戦場をステップ・アップ・ツアーにされたとのことですが、どのような1年でしたか?印象に残っている試合やエピソードはありますか?
2023年は国内のステップ・アップ・ツアー全試合に出場しました。とにかく試合に出て経験を積むことを優先した年でしたね。予選落ちはわずか1試合のみで、ほとんどの大会で決勝ラウンドに進出できたのは自信になりました。本人としては「あの1試合だけが本当に悔しい」という気持ちもありますが、年間を通じて安定して予選を通過できたのは収穫でした。
特に印象的だったのは、「うどん県レディース」(ステップアップツアー)での11バーディーの快進撃です。初日はスコア75と出遅れて65位タイでしたが、2日目にまるで別人のようなゴルフができました。一日にバーディーを11個も量産し、6連続バーディーも記録して、62のビックスコアで一気に4位タイまで浮上したんです。
これはステップ・アップ・ツアーの1ラウンド最多タイ記録だったそうで、自分でも信じられないようなゴルフでした。正直、ホールアウトしたときは「ちゃんと地に足がついていない感じ」でフワフワしていましたし、「こんなすごいことの後には何か悪いことが起こるんじゃないか…?」なんて不安に思ったのを覚えています(笑)。それくらい自分にとって衝撃的なラウンドでした。
また、その年は自己ベストスコアも次々更新できた年でもありました。
先ほどの62もそうですが、実はプロ入り後初めて出場した試合の直前、練習で回っている京都の日清都カントリークラブでも自己ベストの63を出していたんです。プロになってゴルフ漬けの日々を送る中で、スコアメイクの力がついてきた実感がありましたね。
年間を通して本当に充実していて、「人生でこんなに一年が短く感じたことはない」というほど忙しく濃密なルーキーイヤーでしたl。毎週試合に出場し、遠征して…と、目まぐるしく過ぎていきましたが、その分得るものも大きかったです。
引用元 lpga.or.jp
- 吉川なよ子プロに師事しておられると伺いましたが、具体的な教えや印象的なエピソードがあれば教えてください。
はい、高校1年の頃から吉川なよ子先生(LPGA通算29勝)にご指導いただいています。
吉川プロは同じ京都出身の大先輩で、練習場でお会いしたご縁から私の方からお願いして指導を受けるようになりました。師匠はとても優しく、時に厳しく、ゴルフの技術だけでなくメンタル面でも多くを教えてくださいます。
特に印象に残っているのは、ステップアップツアーの**「あおもりレディースオープン」で優勝争いをしたときの教えです。2023年、その大会では最終日を2位タイで迎えたのですが、結果は14位に終わってしまいましたl。
私自身、「何とか優勝を掴みに行こう!」と気負いすぎて空回りしていたんですね。そのとき吉川プロから「自分で優勝を迎えに行こうという気持ちを抑えて、最後まで自分のゴルフに徹しなさい。結果(優勝)は後からついてくるもの」とアドバイスをいただきました。勝ちたい気持ちが強すぎて焦ってしまう悪い癖に気付かされ、「本当に優勝って難しいんだ」と痛感**しました。以降はどんな局面でも平常心を保ち、自分のゴルフに集中することを肝に銘じています。
吉川プロは技術面でも**「パーオン率を上げないといけないね」**など具体的な課題を示してくださいます 引用元 news.golfdigest.co.jp
師匠直伝の課題克服に取り組むことで着実にレベルアップできていると感じます。憧れの師匠が29勝という偉業を成し遂げておられるので、私も「師匠の29勝を超えるのが目標」と公言しているんです。道のりは険しいですが、いつか必ず近づき追い越せるよう頑張りたいですね。



昔に比べて全体的に国内女子ゴルフのレベルが上がってますからね
レギュラーツアー挑戦と初のトップ10入り
- プロ2年目の2024年からは、いよいよレギュラーツアー(JLPGAツアー)にも本格参戦されました。初めてトップ10に入った試合のことなど、2024年の躍進について教えてください。
2024年はQT(予選会)ランク54位でスタートし、レギュラーツアーの出場権も一部得られたので、ステップと並行してできるだけ多くのJLPGAツアーに出場しました。初めてレギュラーツアーの舞台で戦って感じたのは、やはりレベルの高さです。どの試合でも予選を通過するのも簡単ではなく、一打一打に集中する難しさと大切さを学びました。
そんな中、夏頃に初めてのトップ10入りを果たすことができました。7月の「大東建託・いい部屋ネットレディス」で通算19アンダーの6位タイに入ったんです。最終日には8バーディー・ノーボギーという完璧なゴルフができて、自己ベストの64をマークすることができました。
優勝した川崎春花さんも同じ京都出身の同期プロで、川崎さんが優勝、私が6位という結果に「京都からまた新たなヒロイン候補が生まれそうだ」と言われたのは嬉しかったですね
引用元 alba.co.jpalba.co.jp。
その後もシーズン後半には成績が安定してきて、10月の**「樋口久子 三菱電機レディス」では自己最高の5位タイ**に入ることができました。少しずつですがレギュラーツアーの雰囲気にも慣れ、上位争いにも絡める手応えを掴んだ年でした。
また、賞金ランキング(メルセデスランキング)も年間71位で終えることができ、来季につながるシード権争いにも加わる位置につけられました。2年目にしては上出来かもしれませんが、まだまだ課題も多いです。特に優勝争いの場面では緊張で自分のゴルフができなくなることもあったので、そこは今後克服していきたいですね。
2025年:初優勝への手応えと主な戦績


- そして迎えた2025年は、いよいよレギュラーツアーにフル参戦とのこと。現在までの主な戦績や初優勝への手応えについてお聞かせください。
はい、2025年はQTランキング30位でスタートし、シーズン前半の好成績もあってリランキングでは4位につけることができました。そのおかげで年間を通じてほぼ全試合に出場できるフル参戦体制が整いました。今年はとにかくツアーに集中して臨めており、徐々に結果もついてきています。
まず、4月の**「パナソニックオープンレディース」では初めて最終日最終組で優勝争いを経験しました。3日目を終えた時点で首位タイに立ち、いよいよツアー初優勝のチャンスが巡ってきたんです。最終日は残念ながらスコアを伸ばせず3位**に終わりましたが、優勝争いの緊張感を肌で感じられたのは大きな収穫でした。「またこの舞台に戻ってこよう、次こそ勝とう」と強く思えましたね。
続く5月の**「ブリヂストンレディスオープン」でも3日目を終えて単独4位につけるなど上位争いを演じました。特に3日目は5バーディー・ノーボギーの67をマークして自分でも完璧な内容でした。このときは大事な場面で同組の佐藤心結選手のパットを参考に読み切ってピンチを救う**など、ツアーの緊張感にも落ち着いて対処できるようになってきました。最終日も攻めの姿勢で挑みましたが、惜しくも優勝には届かず4位タイ。それでも連続して優勝争いに絡めたことで、「いつか必ず勝てる」という自信が芽生えてきました。
そして7月、地元・北海道で開催された**「ミネベアミツミレディス 北海道新聞カップ」では自己最高となる2位タイ**に入りました。初優勝まであと一歩でしたが、トータル10アンダーまでスコアを伸ばせたことは大きな手応えです。
最終日にはベストスコアタイの「68」をマークし、4月のパナソニックオープンで記録した3位を更新する自己ベストフィニッシュとなりました。昨年同じ大会では24位だったので、一年でここまで上位に食い込めたのは成長の証だと思います。
―― 2位タイに入った試合後のコメントより
「ショットがすごく安定して、パットもラインが見えて思ったところに打てました。10アンダーまで伸ばせたのがうれしいです」
表彰式では優勝した内田ことこ選手の晴れ姿を笑顔で見守りながらも、「次は自分があの位置に立ちたい」と強く感じていました。悔しさもありますが、それ以上に**“楽しんでプレーできた”ことが収穫でした。実際、結果を出せた試合はどれも自分のゴルフを楽しめているとき**なんです。改めて「ゴルフは楽しむことって大事」だと実感しました
仲村プロ: 「やっぱり楽しむことって大事なんですね。きょうみたいに、笑顔で楽しくプレーしながら優勝できたらいいなぁと思います」
引用元 alba.co.jp
プレー以外の素顔:SNS発信やファッションについて
仲村プロはSNSなどでも情報発信をされていると聞きました。ファンとの交流やオフコースでの活動についても教えてください。
そうですね、主にInstagram(インスタグラム)で近況を発信しています。試合後には戦績の報告や感想を書いた投稿をしていて、ファンの方々から沢山の応援コメントをいただけるのが励みになっています。
例えば今季は「○○レディスでトップ10に入れました!たくさんのお祝いありがとうございました✨」といった投稿もしましたし、実際2025年シーズンは6月までに早くも3度のトップ10入りを報告できました。フォロワーの方は約2,700人とまだまだこれからですが、温かいコメントや「いいね!」の数が増えていくのが嬉しいです。
インスタではスイング動画もときどき公開していますmbs1179.com。
自分のスイングチェックも兼ねているのですが、「勉強になります」「かっこいいスイング!」など反響をもらえるのでやりがいがありますね。オフの過ごし方や好きなコスメの話など、ゴルフ以外のプライベートな一面も少しずつ発信して、ファンの方に親近感を持ってもらえたらいいなと思っています。
一方、X(旧Twitter)やYouTubeに関しては、今のところ個人アカウントは積極的には運用していません。ただしJLPGA公式のSNSでは私のプレーを取り上げていただくこともあり、例えば大会中にチップインバーディーを決めた際はJLPGA公式Xで動画付きで速報してもらい大変話題になりました。自分のプレーがSNS上で拡散されてファンの方の目に留まるのは恥ずかしいような嬉しいような、不思議な気持ちです。
また、ウェア(服装)にもこだわりがあります。実は派手で個性的なゴルフウェアブランド「ラウドマウス(LOUDMOUTH)」と契約しており、試合でもカラフルな柄のウェアを着ることが多いです。先日の大会でも白を基調にビビッドな柄パンツを合わせたメリハリコーデが「おしゃれ!」と注目していただきました
引用元 egolf.jp。
ファッション面でも注目してもらえるのは女子プロ冥利に尽きますし、見た目の華やかさと、プレー中の真剣な眼差しとのギャップこそ女子プロゴルフの魅力だと思っています。
オフの日はゴルフから離れてリフレッシュするよう心がけています。家族と旅行に出かけたり、趣味のショッピングを楽しんだり。メリハリをつけることでオンのゴルフに集中できるタイプなので、「休むときはゴルフのことを一切考えない」のが私の流儀です(笑)。



若い世代はON OFFの使い分けが上手なので見習いたいです
最後に:初優勝への意気込みとこれからの目標
- 最後に、これからの目標やファンへのメッセージをお願いします。
まずはJLPGAツアー初優勝を一日でも早く達成することが直近の目標です。今年は何度か惜しいところまで行きましたが、もう一歩届きませんでした。でも毎回学びがあり、確実に成長できていると感じます。師匠や先輩方から教わった「焦らず自分のゴルフに徹する」という言葉を胸に、これからも一打一打大切に戦っていきます。
ゆくゆくは優勝を重ねて年間女王やメジャータイトルを獲れるような選手になりたいですし、夢は大きく、先ほどもお話しした通り**「師匠の29勝」を超える**通算勝利を挙げることです。簡単な道ではありませんが、コツコツと努力を積み重ねて少しずつ目標に近づければと思います。
ファンの皆さんにはいつも温かいご声援をいただき、本当に感謝しています。コースではクールに見えるかもしれませんが、内心では「よしっ!」と闘志を燃やしてプレーしています。皆さんの声援はその闘志に**“闘魂注入”してくれる大きな力です。これからも笑顔を忘れず、楽しむ心を持って**プレーしますので、引き続き応援よろしくお願いします!



近い内に優勝出来る一人ですね



もちろん、こらからも応援します